映像でのリピート表現
第2章「タイミング技法」でも繰り返し表現について触れましたが、ここでは単に省力化やデータサイズの軽量化のためではなく、繰り返す(リピートする)ことによる表現の可能性を広げた映像作品を紹介します。
音楽でのカノン形式の面白さを視覚的な表現に置き換えたものや、ミニマル・ミュージック的なもの、短い動きのフリップ・ブックを組み合わせたものなど、多様な展開が見られます。
『カノン(Canon)』ノーマン・マクラレン 1964年
『フランケンシュタインの恍惚』J・シュヴィッツゲベル 1982年
その他のリピート表現例
このページ内でなく、YouTubeのウィンドウでご覧いただける作品を紹介します。
01.「深淵への旅(La course à l'abîme)」
02.「タンゴ(TANGO)」
03.「LetForever Be」
04.「StarGuiter」
05.「SugerWater」
06.「ComeIntoMyWorld」
07.「TheHardestButtonToButton」
08.「レペテ(Repete)」
09.「リボルバー(Revolver)」
10.「風(A szél)」
11.「The Black Dog Progress」
各作品の紹介記事の最下部をクリックすると、別ウィンドウでYouTubeのページが開きます。
『La course à l'abîme』1992年
監督:ジョルジュ・シュヴィッツゲベル(Georges Schwizgebel)スイス
疾走する馬上の二人からはじまり、ボストン交響楽団の奏でるベルリオーズの音楽に合わせて、さまざまなイメージが展開します。巧みに構成されたリピートする画面をカメラが回るように移動していき、最後にトラックバックして大団円を迎えます。
「Two riders on galloping horses; they disappear, then reappear alternating with other animated images moving to the same rhythm as their own.(疾走する馬上の二人。二人は、そのリズムに合わせて動く他のイメージたちと交互に、消えては現れます。)」(作者のコメント)