往復運動と回転運動
古くは水車が回転する力を利用して石臼を突く杵の動きのように、機械には、回転運動を往復運動に変換(またはその逆)する仕組みが多く見られます。
ここではその仕組みを解説したアニメーションの例を紹介しています。
蒸気機関車の動力のしくみ
蒸気機関車の動輪を回転させる仕組みを紹介しています。
石炭を燃やして熱せられた水蒸気がピストンを押し、その圧力が動輪を回転させる力になります。
また同時に弁を移動させて、水蒸気をシリンダーの反対側の空間に送り込み、ピストンを逆方向に動かす力を発生させます。この繰り返しにより、水蒸気が送られる間は動輪は回転を続けます。
このように、見えない機械の内部の仕組みを説明したり、物理的な法則を可視化したりする手段としてもアニメーションは威力を発揮します。
※このアニメーションは、筆者が日本テレビ「所さんの目がテン!」のために制作したものを利用しています。
回転運動を往復運動に変換する装置
ここではYouTubeに上がっていた二本のムービーを紹介します。
最初の「回転運動を直線運動に変換するしくみ」では、クランクや歯車、ネジやシリンダーなど様々な道具を使って回転運動を往復運動に変える装置を3DCGで分かりやすく説明しています。
「グラスホフの定理適用のメカニズム」も、回転運動を往復運動に変える装置をとりあげていますが、「グラスホフの定理」の適用例として紹介しています。
4本の棒が回転可能な関節でつながれている機械システムを「4 バー リンク システム」と言い、この研究での基本原則が「グラスホフの法則」です。
グラスホフの定理は、4つのリンクの長さと関節の配置に基づいて、システムがどのように動作するかを予測するのに使われます
下のタイトルをクリックしてご覧ください。
※ このムービーは、YouTubeにリンクして表示しています。YouTubeで削除された場合は表示されないことがありますが、その場合はご容赦ください。
グラスホフの定理について
グラスホフの定理は、四つの棒ABCDがそれぞれ蝶番(ちょうつがい)で連結されている場合の、それぞれの運動と機械的制約を説明したものです。もっとも短い棒Aが1回転するための条件は,次の3つの式を同時に満たすことであるとされています。 A+B ≦ C+D、A+C ≦ B+D、A+D ≦ B+C
左図の例では、Aが支点1を中心にして回転運動をすると、Cはそれに伴って支点2を中心に円弧を描くように往復運動をします。
リピートの種類
アニメーションで単純な動きを繰り返す場合、同じ動画を使い回しますが、ピストンの往復運動のように直線的な方法と、寄り道をして元の絵に戻る回転運動のような循環的な方法があります。
直線的なリピート
同じ道を行って戻るような、直線的な繰り返しです。
下のアニメーションはA〜Gの絵で動きが作られていて、AとGを行ったり来たりします。
循環的なリピート
空気抵抗で翼がしなる鳥の羽ばたきのような動きを模しています。
翼を降ろす時と持ち上げる時で形を変えているので、循環する繰り返しになっています。
下のアニメーションはA〜Lの絵で動きが作られていて、Lの後は再びAから始まります。
なお、中央の円の上下動は直線的なリピートです。