カノン形式について
音楽でのリピート表現の例としてカノン形式を紹介します。
カノン (canon) は、複数の声部が同じ旋律を異なる時点からそれぞれ開始して演奏する様式の曲を指していて、ポリフォニー(多声音楽)の一つの典型とされています。
ここでは、カノンの中でも全く同じ旋律を追いかけるように奏でる「輪唱(Round)」をとりあげています。
なお、ノーマン・マクラレンがカノン形式を映像で視覚化した「CANON」も、No.37「映像でのリピート表現」で紹介していますので、こちらも参照していただければと思います。
輪唱(Round)の構造
カノン形式の音楽から、単純な形として「かえるの合唱」という輪唱を選んで、視覚化してみました。
「かえるの合唱」は、それぞれの音符に一つずつの仮名を当てはめているので、子供にも歌いやすく、輪唱した時に和音がきれいに聞こえるなど、輪唱に適した工夫が凝らされています。
※ このページのモバイル端末での音の再生は、消音設定(マナーモード)を解除する必要があります。
カノン形式の視覚化として、円を使った非常に単純なアニメーションです。
同じ動きの円がタイミングをずらして、次々に登場しては消えます。
「その他の輪唱例」解説
「Row Row Row Your Boat」
この歌はシンプルなリズムと覚えやすい歌詞で、多くの子どもたちにとって初めて学ぶ歌の一つです。
また歌の歌詞は、ボートを漕ぐ行為を通じて、人生を穏やかな川下りに例えています。また「人生はただの夢」というフレーズで、人生の短さや、人生を楽しみながら生きるべきだという哲学的なメッセージを伝えています。
歌の由来については、19世紀中頃にアメリカで生まれたとされていますが、正確な起源は不明です。各声部が一定の間隔を置いて同じ旋律を繰り返していて、輪唱として歌われることが多く、単純ながらも魅力的なハーモニーが生まれ、子供たちはもちろん、大人にとっても楽しめる歌となっています。
また、この歌は音楽教育においても重要な役割を果たしており、リズム感やメロディー、ハーモニーの基礎を教えるのに使われています。
「Frère Jacques」
この歌は英語圏では「Brother John」としても知られています。
歌詞は、修道士(フレール・ジャック)に対して、朝の祈りの時間になったので鐘を鳴らすようにと呼びかける内容になっています。ただし、ジャックは眠っていて、鐘を鳴らすのを忘れているという状況です。
歌の具体的な起源は不明ですが、18世紀まで遡る可能性があります。
この歌は子どもたちに音楽の基礎を教えるため、または単純に楽しませるために使われてきました。輪唱歌として音楽の授業などでよく使われる曲です。