第4章 知覚の探求とアニメーション表現

No.44

共通の運命


共通の運命

要素群の中で、同時に共通した運動をするものは、ひとつの塊として認識されます。これは運動の類似性とも言えますが、非常に強い力をもっており、特に他の要素群が静止している場合に、わずかでも動いていれば容易にその形が浮かび上がって見えます。 これは「線の類似性」や「色の類似性」よりも強い効果を持っています。

 

隠された文字

左の文字を選んでから、右の点の群れの一部をドラッグすると、その文字の形が現れます。
文字を知っているかどうかに関わらず、動いた点の群れが図として認識され、形が浮き上がって見えます。

 
 
 

群れの中での点の特定

下の水色の領域には複数の赤い点がランダムに動き回って、どの点に焦点を当てて良いのか分かりません。
しかし、左の数字を選ぶと上の白い領域に、下の点のひとつと同じ動きをする点が現れます。そうすると途端に下の群れの中から同じ動きをするものと一体化して見え、群れの中の特定の点を追っていけるようになります。

 
 
 

迷彩模様の中の歩き

迷彩模様の背景の中を、同じ模様のキャラクターが歩きます。 止まっていると背景に紛れて分かりにくいですが、動くと背景から分離して、独立した塊として捉えられます
切り抜きアニメーション技法で、歩く人物を作っています。

 
 
 
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共通の運命-その他の例

「死と炎」
パウル・クレー(Paul Klee)の絵を元に谷川俊太郎が詩を書いた詩集「クレーの絵本」から「死と炎」という一編を抜き出し、共通の運命を用いた隠し文字で遊んでみました。
ランダムに並んだ文字群ですが、詩の一行分の文字だけが震えるように動きだすと、それらの文字が塊として見えてきて、意味のある文章として読めるようになります。

「クレーの絵本」著者:パウル・クレー(絵)谷川俊太郎(詩)1995年 講談社
 
点滅する文字をクリックすると、詩の行を順番に読んで行けます。
 
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