第1章 アニメーションの原理

No.04

アメリカでの発展


アメリカでの発展

アニメーション・メディアの確立

1914年に第一次世界大戦が始まると、戦火にまみれることのなかったアメリカにおいて、コマーシャルや娯楽産業としてのアニメーションが急速に発展しました。
カートゥーン・アニメーションとしてシリーズ化される作品も現れ、アメリカらしい明るいギャグ・アニメーションの中で、様々な人気キャラクターが生み出されていきます。
また戦火のヨーロッパを離れアメリカに渡った作家たちも多く、アニメーション界に活気を与えました。
ここではその一部をご紹介します。
下のタイトルをクリックしてお選びください。  

・『猫のフィリックス(Felix the Cat)』パット・サリバン 1919年

・『インク壺の外へ(Out of the Inkwell)』マックス・フライシャー 1919年

・『蒸気船ウィリー(Steamboat Willie)』ウォルト・ディズニー 1928年

・パペトゥーン例 『Jasper And The Haunted House』ジョージ・パル 1942年

※ ここでのムービーは、YouTubeにリンクして表示しています。YouTubeで削除された場合は表示されないことがありますが、その場合はご容赦ください。  

ヨーロッパでの独自のアニメーション

上記、ジョージ・パルもヨーロッパで独自のアニメーション技法パペトゥーンを開発してヨーロッパに渡りましたが、アメリカでスタジオ・システムによるアニメーションが盛んに製作される一方で、ヨーロッパでは小規模ながら独自の実験的な技法で造形的にも内容的にもユニークで深い作品が作られています。
ここでは、マルチプレーンを使った独特の陰影を持った作品「観念」と抽象的なアニメーションのパイオニアのひとりであるオスカー・フィッシンガーの「オプティカル・ポエム」を紹介したいと思います。
下のタイトルをクリックしてお選びください。  

・『観念(L'idée)』ベルトルド・バルトーシュ 1932年

・『オプティカル・ポエム(An Optical Poem)』オスカー・フィッシンガー 1938年

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ムービー情報・アイコン

「猫のフィリックス - Feline Follies」

猫のフィリックスは、1919 年にパット・サリバン(Pat Sullivan)とオットー・メスマー(Otto James Messmer)によって作成されたキャラクターです。
サリバンのスタジオでは、すでに実写のチャップリンをモデルにしたキャラクターのアニメーションのシリーズを制作していましたが、猫のフィリックスを主人公にしたシリーズは大変な評判を得て、フィリックスは、後世、サイレント映画時代のミッキーマウスと言われるほどの人気キャラクターになりました。

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メスマーによるフィリックスのキャラクターの宣伝広告
フィリックスが、事業者に対して自身の売り込みをしています。

※「BEFORE MICKEY」Donald Crafton p.309の挿絵から引用
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