方向性の表現について
私たち人間は、社会的な動物なので、特に周りにいる人々の振る舞いに注意を払う性質があります。対面する人の表情には敏感で、身体の仕草や微妙な顔の動きと視線によって相手の感情を読み取ろうとします。
パーツの位置関係を利用した表現も、二次元的なアニメーションにとって重要だと考えます。
切り抜きアニメーションでの方向性の表現
切り抜きアニメーションでは、パーツの置き換えでキャラクターの顔の向きや身体の向きを変化させます。顔の場合は、頭部と、それに付属する目や鼻、口、耳の位置の相関関係で顔の向きを表します。
ここでは単純な顔と、少し複雑な身体の向きを変化させたアニメーションの例をご覧いただきます。
ホロウマスク錯視について
ホロウマスク錯視(Hollow Mask Illusion)の「Hollow」とは「空洞の」とか「くぼんだ」という意味があります。
顔や体を凸面として見る私たちの脳の性質は非常に強力なため、凹面に描かれた像も、私たちが移動することで変化するパーツの位置関係を凸面上での変化として感じてしまい、あたかも像が動いているように見えます。
近くから両目で見た場合は、左右の視差が生じてこの錯視が比較的起きにくいですが、ビデオカメラなどひとつの視点から見た場合は、顕著に現れるようです。
近くから両目で見た場合でも、一旦この錯視が現れると容易には消えません。