第2章 タイミング技法

No.25

集団の動き


集団の動き

 

複数の人や動物が一斉に動いているシーンを作る時には、それぞれの動きの「タイミングのずれ」を考慮することで、より自然な動きにしたり集団の置かれた状態を強調することができます。

 

集団の動き比較例

 

機械の動きと違って、一般に実写で集団の動きを撮影した場合、よほど訓練を積んだ軍隊の行進ような動きでさえ若干のズレが生じます。ましてや群衆のデモのような動きではかなりバラバラでないと違和感を生じます。
ここでは群衆が手を振る動き、集会で全員が深くお辞儀をする動き、人が集団で歩く動きを、それぞれタイミングが完全に一致した場合と、少しズラして自然に見せた場合の効果を比較しています。

 

実写での集団行動

ここでは実写での集団の動きをYouTubeに上がっていた映像を例に紹介します。
日本体育大学の選手たちの「集団行動の演技」で、相当訓練を重ねたいわば「一糸乱れぬ演技」です。人がここまで機械的な正確さで行動できるのかと驚き、ある種の感銘すら覚えます。
ただ、この動きの中に、ごく微妙ですが人間らしい動きのズレやそれぞれの個性が感じられるようで、それがこの映像にリアリティと親しみを与えているのではないでしょうか。

・日本体育大学 第50回体育研究発表実演会 2013年

※ ここでのムービーは、YouTubeにリンクして表示しています。YouTubeで削除された場合は表示されないことがありますが、その場合はご容赦ください。  
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転がる鉄球

TVシリーズ「ワイリー・コヨーテとロードランナー」で、コヨーテが鉄球の塊りをエサに見せかけてロードランナーに食べさせようと、道路に撒くシーンです。
鉄球の一粒がはみ出て、それを戻す動作があることで、丸くバラバラな鉄球の材質が印象づけられています。

※ Road Runner vs.Wile E. Coyote: The Classic Chase「Zip 'n' Snort」より抜粋

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