第2章 タイミング技法

No.24

硬さ・柔らかさ


硬さ・柔らかさ

 

動きの「ずれ」を使って物の硬さや柔らかさなどの質感を表すことができます。
点の連なりにおいて、個々の点の動きのずらし方を調節することで、総体としての形の質感を変えることも可能です。

 

単純な形態を使った表現例

 

ここでは連なった複数の点の動きの違いによって、総体としての硬さや柔らかさを感じさせる例と、同じ円でも反応する動きの違いによって質感の違いが現れる例を紹介しています。

 
 

応用例「ビンに吸い込まれる卵」

殻をむいたゆで卵が牛乳ビンになぜ吸い込まれるのかを解説するためのアニメーションです。 硬いガラスビンの口を通り抜けるために卵の形が歪み、また落ちてビンの底に当たった際に少し潰れて元に戻る様子で、弾力のある卵の質感を表しています。
※ 日本テレビの科学番組「所さんの目がテン!」で使用された解説アニメーションの一部を使用しています。

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「記憶の固執」1931年 - 部分

シュールレアリスムの画家サルバドール・ダリの最も有名な絵画のひとつです。硬い金属でできているはずの時計がグニャグニャに溶けたように描かれ、観るものに強い衝撃を与えます。

反アフォーダンスの車止めポール

認知心理学者ドナルド・ノーマンの著書「誰のためのデザイン? 増補・改訂版」2015年の日本語版への序文には、人の認知の誤解をうまく利用した「反アフォーダンス」の好例として通行止のポールを紹介しています。
一般の車両の進入を防ぐための頑丈そうに見えるポールが、実は柔らかく車が当たっても傷つけることはありませんが、一般の運転者には効果的です。
このポールも少し力を加えて動く様子を見れば、柔らかさが認識されます。

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