第4章 知覚の探求とアニメーション表現

No.48

隠されることで現れる文字


 

隠されることで現れる文字

錯視の例として、ここでは背景の一部を隠すことで現れる文字を紹介します。
一見、意味不明の黒い形が並んでいるだけのように見えて、何を表しているのか分かりませんが、複数の円で背景の白い部分を隠すと、円の裏側は白い色のはずなのに黒い部分との繋がりがあるように見え、文字が判断できます
この理由は、ゲシュタルト心理学の「良い形の法則」と「過去の経験」から説明できるようです。
我々の知覚は、単純な形になるように欠けた部分を補い、すでに知っている文字の形をイメージします

 
 

動くことで現れる文字

上記の例は、色のついた円が重なることで、見えている黒い形が、隠された全体の一部分と認識され、隠された部分を想像して、既に知っている文字を連想する現象です。
しかし、ここでの例は、黒い部分を動かすことで隠れた部分が現れて、常に一部分しか見えていないにもかかわらず、文字全体を認識する現象を紹介しています。
黒い部分をドラッグして動かすと、文字全体が現れると同時に、白い背景に溶け込んでいた白い円の構造も現れます。

 
 

隠れた文字

下図は、一見カラフルな形がオレンジ色の空を背景に並んでいるように見えるのではないでしょうか。
しかし中央部分に違和感を感じて、よく見ると形と形の間に「MAGE」の文字があるのに気づきます。左端の「I」の文字は気づきにくいですが、「MAGE」との連想から「IMAGE」と書かれているのが分かります。
画面をクリックするとマスクが現れ、今度は今まであった背景が地として捉えられて「IMAGE」の文字が図としてくっきり見えます。
ここに並んでいる形は、模様や陰影をつけて、できるだけ図として見えるよう工夫してあります。またマスクは、あえて形につけたものと同じような模様を選び、形と一体化して地に見えるようにしています。
我々は図を認識した時、図の部分が前方に浮き出ているように感じ、地(背景)の形は消えてしまいます
ところで、マスクを消した時、一瞬「IMAGE」の文字部分が少し暗く背景の空から分離して見えるのではないでしょうか。

 
※ 図をクリックするとマスクが現れます。 
 
 
 
 
 
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お詫び🙇ー
左記のような現象が現れる事例やデザインを紹介しようとしましたが、現時点で見つかっていません。
今後引き続き調べていきたいと考えています。

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