リミッテッド・アニメーションについて
リミッテッド・アニメーションは、1コマ撮りや2コマ撮りなどの、一定のコマ数で撮影して滑らかに動かすアニメーションとは異なり、撮影するコマ数をいろいろ工夫して、滑らかではないけれども独特の動きの面白さを作り出す技法です。
ここではリミッテッド・アニメーションの例として、ヤン・レニツァの作品「A」から動きの一部分を模写し、独特のコマ割りの面白さを紹介しています。
下の画像をクリックしてご覧ください。
リミッテッド・アニメーションは、1コマ撮りや2コマ撮りなどの、一定のコマ数で撮影して滑らかに動かすアニメーションとは異なり、撮影するコマ数をいろいろ工夫して、滑らかではないけれども独特の動きの面白さを作り出す技法です。
ここではリミッテッド・アニメーションの例として、ヤン・レニツァの作品「A」から動きの一部分を模写し、独特のコマ割りの面白さを紹介しています。
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ここでは上記アニメーション分析の元になったヤン・レニツァの作品「A」をご覧いただきます。 ある日突然に得体の知れない暴力的な存在が現れるという、不条理な世界をコミカルに表現しています。 これはレニツァの母国であるポーランドが過去に侵略された歴史を持つことを考えると、戦争や専制政治に対する恐怖のメタファーだとも言えます。
1960年代から70年代にかけて活躍した久里洋二の短編アニメーション作品群は、独特の画風と繰り返しの多いリミテッド・アニメーションで、海外でも非常に高く評価されました。ここで紹介する「寄生虫の一夜」は、ヒエロニムス・ボスの絵画で描かれた地獄絵からインスピレーションをうけて、世の中のグロテスクな人間模様をユーモラスに描いています。
ヒエロニムス・ボスは、オランダ南部セルトーヘンボスで15世紀後半から16世紀初頭(多分、当地域での中世からルネッサンス期への狭間?)にかけて活躍した画家で、シンボリックなイメージを展開させた宗教画で知られています。
幻想的でグロテスクながら、諧謔を込めて人間社会を風刺するような作風は、ブリューゲルをはじめ、後世の多くの画家にも影響を与えました。
以下に、久里洋二が「寄生虫の一夜」のアイデアの一部となったと思われるボスの絵画の一部を紹介します。
ヤン・レニツァについて
ヤン・レニツァ(Jan Lenica)はポーランド出身の高名なグラフィック・デザイナーで、アニメーションや舞台美術も手がけ、多くの作品を残しました。
その作風は、毒を含んだ独特のキャラクターと、コラージュ的な画面作り、フレーム数を制約したリミッテッド・アニメーションにあり、シュールで不思議な世界を生み出しています。
主なアニメーション作品には「A」のほか、以下の作品が挙げられます。
・Monsieur Tète (1959)
・Labyrinthe (1962)
・Rhinocèros (1963)
・Adam 2 (1969)
・Ubu et la grande gidouille (1979)