第1章 アニメーションの原理

No.08

イモリの捕食行動の分解例


イモリの捕食行動

 

ここでは、形と動きの分解例として、「イモリの捕食行動」と「イモムシ類の歩行」、「投球フォーム」を紹介します。
イモリの動きは、構えるポーズから、身体を伸ばして口を開き、伸ばしきったところで口を閉じて、また元の構えるポーズに戻ります。これらのポーズがキーアクションになります。
そこで、まずヌメヌメしたイモリの柔らかい動きをカットアウトの技法で表現するために、陰影や光沢のあるリアルな体を描き、それを細かい部分に分解しました。
その後、キーフレーム毎に動きのポーズを作り、コンピュータに中割りをさせています。

         

イモムシ類の歩行

連結構造を使ったアニメーション例として、アオムシと尺取り虫の歩きを取り上げてみました。
これらはイモムシの仲間で、いくつもの節が連なった体だと見なされます。
両者とも体の構造は似ていますが、アオムシは体の前後を伸ばしたり縮めたりして前進しますが、尺取り虫は体を曲げたり伸ばしたりすることで進みます。
まず01と03のキーアクションを作り、その間を02と04のサブ・キーアクションで埋めて、コンピュータで中割りさせています。
それぞれをクリックしてごらんください。

        

投球フォーム

下のアニメーションでは、野球のピッチャーの投球フォームを切り抜きの技法で作ってみました。構えるポーズから、大きく片足を踏み出し、力強く投げた後に体勢を整えるまでの動きです。
まず、キーになるポーズを作り、その間を微調整しながらコンピュータに中割りさせて行きました。
投球では体をひねる動きがあり、正面向きから投げ終わったあとは後ろ向きになるため、足や腕のレイヤーは置き換えています。
また上腕部や足のパートは、適時別の形に差し替えています。

        
インフォメーション・アイコン

身近にある蛇腹(じゃばら)構造

ここで言う「蛇腹構造」は、節になる剛体の間を、布や皮など変形しやすい物でつないだり、複数の剛体を可動式に組み合わせて、伸縮させたり曲げたりが可能になる構造です。
これはアニメーションの切り抜き技法にも通じる考え方だと思います。
※ 蛇腹構造の例をいくつか紹介しています。下の矢印をクリックしてご覧ください。

洗濯機排水ホース

このような構造はフレキシブル・チューブとも呼ばれ、節と節をつなぐ素材にプラスチックなどの耐久性があるものを使っているため、曲げたりする柔軟性はありますが、伸縮性はあまりありません。
液体を流す排水管や吸水管のほかに、ガスなどの気体を送るためにも用いられています。

蛇腹構造のオモチャ

ネット販売で購入したオモチャです。
マジックハンドの変形版です。

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