第2章 タイミング技法

No.31

歩きについて


人物のコマ割りと背景のコマ割りの注意点

 

ここでは歩く人と背景の木のコマ割りの違いについて説明しています。 歩く人のコマ割りは24f/s(1秒24フレーム)、12f/s、8f/sでそれほどガタつきの違いは感じられませんが、右へ直線移動する背景の木々は、12f/sでもかなりガタついて見えるので24f/sで動かす必要があります。
また背景を飛ぶ飛行機は、下記の違いがあります。

24f/sの①に比べて12f/sの②はかなりガタついていますが、③の蛇行する飛行機は、同じ12f/sでも、比較的ガタつきは少なく見えます。
一般に歩きや曲線的な動きの物は複数フレームでも大丈夫ですが、直線的な動きの静止画像はフルアニメーションで動かすことが原則となっています。
下記アニメーションは、ボタンをクリックして対象画像を消したり、フレームレートを変えて違いを比較することができます。

 
 
 
 
 
 

『WALKING』ライアン・ラーキン 1968年

1960年代後半に、NFBのノーマン・マクラレンの元で活躍したアニメーター、ライアン・ラーキン(Ryan Larkin)の『WALKING』を紹介します。
様々な人々が歩いたり駆けたりする仕草を、いろいろなリズムと描画法で生き生きと描き、一編のポエムとしての情感を観るものに与えています。紙に直接カラーインクで描くペーパーアニメーションです。
彼の作品は他に『ストリート・ミュージック(Street Musique)』や『シリンクス(Syrinx)』があります。

※ ここでのムービーは、YouTubeにリンクして表示しています。YouTubeで削除された場合は表示されないことがありますが、その場合はご容赦ください。 
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歩きサンプル
ー E.マイブリッジの写真集から ー

エドワード・マイブリッジが人体の動きをとらえた写真集「THE HUMAN FIGURE IN MOTION」から、女性の歩きの写真をスキャンして動かしてみました。
12枚の写真を位置やサイズを調整して、8f/s(1秒間に8フレーム)で繰り返し歩き続けるようにしています。
上半身は布をかぶる動作なので動きにギャップがありますが、下半身の歩くポーズは一応滑らかにつながって見えます。
またその他の動きも、リンクしたページに移動して観ることができます。

 
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