第4章 知覚の探求とアニメーション表現

No.29「笑う月」

「StartingStories」からの抜粋

 
 

 
 

「Starting Stories」

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「StartingStories」は、教則本と映像(VHSのちにDVD)がセットになった幼児向けの映像リテラシー教材で、2003年にBritish Film Institute Education(英国映画協会 教育部)より出版されました。
ここでは本の一部(概要と「笑う月」に関する部分)を抜き出して、紹介しています。
なお、日本語訳は翻訳ソフトの助けも借りて、私(西本)が行なっています。

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はじめに

「Starting Stories」は、子どもの読み書き能力と映像リテラシー(映像理解力)の発達を支援するテキストとしての、短編映画の豊かさをさぐり、説明しています。このビデオ選集には以下の5本の短編映画が含まれ、教室での使用をサポートする教師向けのメモが付いています。

  • 「月の上のヒヒ」, クリストファー・デュリエズ, イギリス 2002年, 6分;
  • 「笑う月」, 西本企良, 日本 2000年, 6分;
  • 「リトル・ウルフ」, アン・ヴロンバウト, ロイヤル・カレッジ・オブ・アート,イギリス 1992年, 6分;
  • 「ラッキー・ディップ」, エミリー・スキナー, スリンキー・フィルムズ, イギリス 2001年, 3分30秒;
  • 「そうでなければ(異なる行儀の良さ)」, クリスティーナ・シンドラー, ドイツ 2002年, 7分。

教師用メモの内容:

  • 主な用語や概念も含む、動画メディア言語の紹介。
  • テキストとしての映画が持つ豊かな可能性を、リテラシーとの関連で活用する方法。
  • 教室で映像作品を教材として効果的に使うためのガイダンス;
  • この選集に含まれる作品に関する情報。
  • 映画や映像理解力のための教育方法や活動の例。
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★ 「Starting Stories」の目的
一般的に、幼児期の教育は、子どもたちの経験を考慮し、既存の知識やスキルを基盤にすべきであるとされています。その中でも、動画メディアに関する取り組みは重要な位置を占めています。子どもたちは、さまざまな環境で、映画・テレビ・ビデオに触れながら教育の世界に入り、動画メディアの多くの決まりや慣習にすでに慣れ親しんでいます。
この教材と提案されている教育法は、子どもたちが映画の構造や慣習について、すでに学び始めていることを利用し、映像メディアを見たり学んだりする新しい方法を発見することを教師たちに促します。「Starting Stories」は、映画とリテラシー(読解力)に基づいた活動の具体例を提示し、映画と映画言語を探求することが、いかに効果的で楽しく、リテラシー教育に役立つかを示しています。
「Starting Stories」は幼児期および基礎段階(3歳児から就学前年度終了まで、または北アイルランドでは2年生終了まで)の教師向けに、生徒が話しながらアイデアを書き留める方法や教師と生徒が一緒に文章を作成するなど、初期の記述能力の発達を支援するために映画のテキストを使用するトレーニングとガイダンスを提供しています。映画の学習目標*は、子どもたちの動画に対する理解力や分析能力をどのように伸ばすかを示しており、基礎段階のカリキュラムガイダンスノート(DfES/QCA, 2000)に概説されている早期学習目標や理解のステージ、特にコミュニケーションと言語の発達に関連するものと明確に対応しています。
基礎段階からキー・ステージ1へ移行する子どもたちのために、Starting Storiesは、国家リテラシー教育方針の基本目標に直接対応しています。これらの目標は、入学年度とキーステージ 1 に適用されます。ここで提案されている活動や学習方法は、単語、文、文章レベルの学習に活用できます。特に、レッスン・プランのひな型では、映画とリテラシーの両方の学習目標を達成するために、教室での映画の効果的な使用方法を概説しています。

ーー P-03 ーー
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★ なぜ短編映画なのか?
短編映画は、幼い子供たちとの共同作業に最適なテキストとなります。ほとんどの場合、それらはコンパクトで自己完結的な構造になっていて、さまざまな物語の要素を組み合わせて、明確かつ魅力的に「物語を語る」ことができます。作品がより抽象的である場合、画像と音の創造的な使用法を探る機会が生まれます。
「Starting Stories」ビデオ選集に選ばれたさまざまな短編映画には、月を題材にした作品が 3 本含まれています。「リトル・ウルフ」は、おなじみのパターンや繰り返しがアクションを強調していて、伝統的な韻や物語に通じるものがあります。「月の上のヒヒ」は、明確な物語とともに、美しく撮影された人形アニメーションです。対照的に、「笑う月」は、なじみのあるキャラクターや生き物を登場させながら、音と映像のより抽象的な関係を探求しています。「そうでなければ」は、友情と互いの違いというテーマを探求していて、巧みなカメラワークが、視点や関係性を探る絶好の機会を提供しています。「The Lucky Dip」は、紆余曲折があり、緊張とサスペンスの雰囲気が漂う物語です。各作品は7分以内で終わるため、簡単に見直したり読み直したりすることができます。
「Starting Stories」は、同じくBFI エデュケーションが制作した『Story Shorts』と提携する教材で、キーステージ2(7~11歳)での読み書き能力を育てるために短編映画を活用する方法を探っています。「Story Shorts」も、教師向けのメモを含むビデオ選集で構成されています。同様の教材である「Screening Shorts」は、11歳から14歳を対象とした映画とリテラシー学習について取り上げています。

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「Starting Stories とカリキュラム
このガイドに概説されたすべての原則、指導法、活動は、英国のカリキュラムに従っており、英国全土の幼児教育や学校教育の現場で、子どもたちと接しながら働く教師たちに最適なものです。
「Starting Stories」はイングランドの学校で試験的に導入されています。完成版教材には、イングランドの国家カリキュラムと国家リテラシー戦略への明確な言及がある一方、他の英国のカリキュラムへの言及も適宜行われています(ウェールズの「義務教育前の児童の学習の望ましい成果」、スコットランドの「3~5歳児向けカリキュラム体制」、北アイルランドの「就学前教育のカリキュラムガイダンス」を参照のこと)。
各作品には、さまざまな活動と授業計画のひな型が用意されています。これらのガイドラインは、リテラシーと映画の両方の学習目標に対応しています。基礎段階(幼児期)の活動がいくつか掲載されており、1年生と2年生の各学期の授業計画へと続きます。これらはイングランドの国家リテラシー戦略の枠組みに直接関連していますが、学年および学期ごとに「評価」する主な理由は、幼児期から小学校のカリキュラムへと進む進歩状況を示すためです。これらを必要に応じて自由にアレンジしてご使用ください。
このガイドに従う教師は、7歳から11歳の子供たちに対する映画とリテラシーの教育を扱ったBFI教育資料「Story Shorts」でも同様の形式を目にすることでしょう。さらなる情報は、「Look Again! A teaching guide to using film and television with three- to eleven-year-olds(Look Again! 3歳から11歳の子供に映画とテレビを使うための指導ガイド)」にも記載されています。(www.bfi.org.uk/education)」

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ーー P-14 ーー
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第2章 映像言語入門

言語とは、見て、しゃべって、文章を使ってコミュニケーションをとることです。
私たちは、子供の学習の最も早い段階から、すべての活動はコミュニケーション、言語、およびリテラシーによって支えられているのだと言ってきました。NLS*は、コミュニケーションが、学校での水準を向上させる原動力の中心であると述べています。
話したり書いたりを促すために映像教材を使用することが、子どもたちのコミュニケーション能力を高める刺激的な機会を生み出します。

*注:NLS(National Literacy Strategy = 国家識字戦略)」は、1998年に英国政府によって導入された教育改革プログラムで、主に初等教育における児童の識字能力向上を目的としています。
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★ Cs and Ss
すべての芸術形式やコミュニケーション形式と同様に、映画には、その形式、内容、概念を説明して議論するための独自のルールと言語があります。
これらの概念を理解するのは難しいことではなく、あなたとあなたの子どもたちの動画メディアへの理解と楽しみを高めることができます。
映画の言語と文法は、「映画を機能させる」ための主要な要素に焦点を当てることで要約することができます。私たちはこれを「CsとSs」と呼んでいます:

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ストーリー、設定、 サウンド、 色、 キャラクター、 カメラ
これらの 6 つの要素を用いることで、映画のテキストを精査して「尋問(厳しく追及)する」ことができます。
これらの要素に焦点を当てながら映画について話すことで、討論のための情報やアイデアがたくさん得られることに気がつくでしょう。多くの教師は、子供たちに彼らが読んだ文章について話すよう求める際、エイダン・チェンバースの著書「Tell Me」(1993年)で提案された質問を使用しています。これらの質問は、それぞれの映像テキストに応じて、子供たちから、多くのバラエティに富んだ、想像力豊かな会話を引き出すための、さまざまな可能性を与えてくれます。以下には、Cs and Ssの各要素の簡単な定義と、一部Tell Meアプローチに基づいた質問が示されています。これらの質問は、子供たちの注意を引き、さらなる会話や記述活動に導くために使用できます。

「Cs and Ss」は、映像作品に基づいた他の活動に関わる前に、クラスまたはグループ活動として取り組むことができます。映像作品は、子供たちの注意を、その都度、異なる側面に向けさせながら、何度も鑑賞されるべきです。子供たちは映像の中に「手がかり」を探すのが好きです。以下のことが分かるでしょう:

  • これらすべての要素に焦点を当てて得られる感想や意見を使って、どんなテキストでも詳しく読み取ることができます
  • 映像作品のひとつの要素に注目することで、子供たちの映画鑑賞に対して明確な絞り込みと枠組みが与えられます。
  • このような方法で映像を観ることは、あらゆるレベルでの詳細な鑑賞に必要なスキルが身につき、子供たちが後に、より注意深く鑑賞するための準備となります
  • 子供たちは、映像の構成における各要素の働きを識別する能力がついてくると、より迅速かつ自主的に反応するようになります
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ストーリー
これは映画の話法であり、基本的な構造と形を提供します。一般的には特定の視点から語られますが、これが明確な場合とそうでない場合があります。子供たちは、異なる物語構造や語り口のパターンには、たぶん、すでに馴染みがあります。これには以下のようなものがあります:

  • 線的構造:始まりと中間と終わりがあり、通常は時系列に沿って、一連のカメラショットで構成された連続したシーンで展開されます。 「月の上のヒヒ」、「リトル・ウルフ」、「そうでなければ」、「ラッキー・ディップ」などはすべて、明確で強力に定義された直線的な構造を持つテキストの例です。
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  • 抽象的構造:おそらく音と映像のより芸術的な組み合わせであり、明確な物語はありません。この映像選集の中には、完全に抽象的な作品はありません。
  • 抽象的構造と線的構造の組み合わせ:芸術的な解釈が、明確な構造や情景描写と結びついています。「笑う月」は、図形を使っている点では抽象的構造と言えるかもしれませんが、認識可能なエピソード形式の物語を持っています。
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「ストーリー」に関する質問例:

  • この物語の始まり、中間、終わりで何が起こりますか?
  • この物語の中で起こる最も重要なこと(出来事)は何ですか?
  • 出来事が異なる順序で起こった場合、この物語はどう変わりますか?
  • この物語がどこで起きているのか、どうしてわかるのでしょうか?
  • この物語は誰または何についての話でしょう? どうすればわかりますか?
  • この物語はどれくらいの時間経っているでしょうか?(現実の時間ではなく、物語の中の時間で)
  • この物語が始まる前に、何が起こったと思いますか?
  • この物語が終わった後、次に何が起こりそうですか?
  • この物語は他の物語を思い起こさせますか? それはどんな風に?
  • この物語をどのように終わらせたいですか、またはどのように続けさせたいですか?
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セッティング(場面設定)
セッティングは、映画または映画のシーンが展開される背景を提供します。それは歴史的、また地理的なものでもありえます。またセッティングは、雰囲気や状況を素早く特定したり、観客が登場人物の行動や生活における感情を理解するのにも役立ちます。ほとんどの映画は、主要な設定と二次的/小規模な設定の両方から成り、それは屋内(家の中)または屋外であり、ロケ地で撮影されたり、特別に作られたセットで撮影されたりします。より抽象的な映画では、セッティングまたは背景が抽象的で、特定の時間や場所を指さず、ただ環境の雰囲気を伝えるのに役立つという場合もあります。映画のセッティングについて話すことで、何が表示されていて、何が表示されていないのか、また、別のセッティングではどんな物語になるのか、想像力豊かに考えることができます。

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「セッティング」に関する質問例:

  • この出来事はどこで起きているのだろう?
  • なぜ、物語がこの場所に設定されているのだろうか?
  • セッティングはいつ、どのように変化しますか?
  • セッティングは登場人物とその行動にどのように影響するだろうか?
  • 物語が始まったとき、私たちはどこにいると思いましたか?
  • 物語がどこで起きているか、どうやって分かりましたか?
  • もし違う場所や設定の元で起きたとしたら、物語はどう変わったと思いますか?
  • もしあなたがこの物語を語るなら、出来事の場所をどこにしますか?
  • 物語の中であなたが見ることができなかった重要な場所はありますか?
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サウンド(音)
サウンドトラックには、いくつもの要素が含まれていて、それぞれが物語を語る上で役立っています。これらは、並行して重ねられたレイヤーで働いていて、様々な目的や効果をもっています。映画のフレーム自体に、登場人物のセリフや行為、街の往来の騒音や風など、雰囲気を表す効果音が存在しています。また他にも、音楽やナレーションなど、映画に後から重ねられる音もあります。またその他に無音の間(ま)もあり、それは、映画で醸し出される感情や雰囲気に大きな影響を与える可能性があります。無音の間は、音と音のあいだをつなぐ隙間となり、しばしば感情的な緊張や強さを高める「思考の間(ま)」を作り出します。

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「サウンド」に関する質問例:

  • 何種類の音が聞こえますか? それらは何でしょう?
  • この映像作品に音楽はありますか?
  • その音楽はあなたにどんな感情を与えましたか?
  • どういうタイミングで音楽や音が変わりますか? 音や音楽が変わるとき、映画のスクリーン上では何が起こっていますか?
  • 映像なしで音だけを聴いた場合、何が起こっているか分かるでしょうか?
  • この映像作品に無音の間がありますか? それはどんな時でしょう?
  • 君たちならこの映画にどんな音楽を加えますか?
  • しゃべるキャラクターが登場しますか?
  • この映画に君たち自身のナレーションを加えることはできますか?
  • 誰が話しますか? そして何と言いますか?
ーー P-17 ーー
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色彩
色彩は映像の見た目を左右し、いろいろな方法で物語を伝えるのに役立ちます。色が鮮明か地味か、または特定の色合いの範囲内であるかに応じて、気分や雰囲気を伝えることができます。例えば、背景とそれを背にする登場人物の服の色など、視覚的なコントラストを使用して、登場人物や建物、場所を目立たせることができます。また、色彩は時間の経過を示すのにも役立ちます。たとえば、人物の行動が昼から夜に移るにつれて、色の階調も変化したりします。

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「色彩」に関する質問例:

  • どんな色が見えますか?
  • 色が変わるのはいつでしょう、また、それはなぜですか?
  • 物語の舞台となった時間帯について、色は何を伝えているでしょう?
  • この作品では主に何色が使われているでしょう? 他の色よりも重要な色はありますか?
  • なぜ特定の色が使用されていると思いますか?
  • あなたならどんな色を選びますか?
  • 物語の舞台が異なる設定になると、色使いは変わりますか?
  • 特定のキャラクターに関連づけられている色はありますか?
  • 映画で色彩はどのくらい重要だと思いますか?
  • 白黒、または1色だけだったら、この映像作品はどうなっていましたか?
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キャラクター(登場人物)
キャラクターはさまざまな方法で、またさまざまな目的のために、登場します。私たちはまた、映画の主人公は誰で、どうやってそれを知るのかについても考える必要があります。さまざまな登場人物がどのように振る舞い、どのように関わり合っているかによって、彼らについて多くのことを知ることができます。

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「キャラクター」に関する質問例:

  • 主人公はいますか? それは1人ですか?それとも複数ですか?
  • 物語は本当にこのキャラクターについてですか、それとも他の誰かについてでしょうか?
  • 物語を語っているのは誰でしょう?
  • 主人公はどんな外見ですか?
  • 彼らはどんな身なりをしていますか?何を着ていますか?
  • 彼らはどんな話ぶりで、どんなことをしゃべりますか?
  • キャラクターが何を考えているか、またはどのように感じているかを、どうして分かりましたか?
  • 彼らはどのように振る舞いますか?
  • 彼らは他の登場人物に対してどんな態度をとりますか?
  • キャラクターの誰かに、特定の音楽や音がありますか?
  • どの登場人物に一番興味を持ちましたか?
  • この作品の中に、他の物語や映画に登場する人物を思い起こさせるキャラクターはいますか?それはどのように?
  • この物語に登場して欲しいキャラクターは他にいますか?
  • 他の人物が加わったり、ここでの登場人物が削除されたりしたら、物語はどのように変わりますか?
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カメラ
カメラは事実上、語り手として機能し、一連のカメラショットが物語を通して視聴者を導きます。特定のショットが、いつ、なぜ使われるのかを考えることは重要です。クロースアップショットは詳細な部分を伝えるために使用でき、ミディアムショットやロングショットはシーンの設定やより広い背景を確立するために使用されます。カメラのアングルや移動は、感情や雰囲気、アクションのペースを伝えるために使うことができます。カメラが、登場人物の視点や表情を明らかにし、場面や状況を描写し、緊張感を与え、アクションのペースを伝えることができるという点で、文章で書かれた物語と共通点があります。

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「カメラ」に関する質問例:

  • どんなショットなのか特定できますか?
  • ロングショットやクロースアップショットはどのような場面で使われていますか?
  • さまざまなショットはどんな目的で使用されていますか?
  • 物語は誰の視点から語られていますか?
  • 異なる登場人物の視点に変わるのはいつですか?
  • カメラはいつ動いて、いつ静止しますか?
  • カメラは物語を伝えるのにどのように役立っていますか?
  • 映画の最初のショットは物語について何を教えてくれますか? たとえば状況設定とか?
  • 特定のショットが、他のショットと互いにつながっているのは、なぜでしょう? 例えば、ロングショットの後にクローズアップが続くとか。
  • 皆さんなら、映画の最後のショットは何にしますか?
ーー P-18 ーー
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★映画を教材にした作業
続く章では、この選集に収録された各作品に順次焦点を当て、以下の内容を提供します。

  • 予備知識
    映画のあらすじ、使用された技法、監督に関する情報など;
  • 作品の大枠
    子供たちへの作品の紹介の仕方と、後に続く教育活動に応じて、いかに子供たちを集中させて鑑賞させるかについてのアドバイス。
  • あらすじ
    ストーリーの構造と語り口に関する子供たちの作業をサポートするためです。
  • 鑑賞後に子供たちに与える質問例
    Cs and Ssと各作品の中心テーマをベースにして、またリテラシーを基本にした活動に結びつけながら、子供たちが話し合いを始めたり、話し合いの焦点を絞るために使うことができます
  • 授業計画とカリキュラム案
    ー 基礎段階
    コミュニケーション、言語、リテラシー、および関連する映像学習の目標のための、早期学習成果に紐づけられたアイデアの選択。
    ー 導入部
    導入部としての、リテラシーと映像学習案の参考例。早期学習ゴールと映像学習目標の両方に紐づけられています
    ー 第一段階
    授業の、2年間にわたる進行をカバーする6つのサンプル案。各プランには、単語、文、文章レベルでの、明確な映像学習目標とリテラシー目標が含まれます。
    これらのプランは、幼児期および初等教育の専門家の貢献により開発されたもので、各映像作品に関連した独自の授業アイデアを発展させるための基礎となることを願っています。
  • 映像作品のスチル画像
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プランと活動の目的
これらのレッスンの目的は、リテラシー作業をサポートし、映像言語の知識と映像テキストを分析する批評能力を養うことです。そのため、特定のリテラシーと映像学習の目標が提供されています。場合によっては、授業での活動が両方の目標を満たしたり、または別々の活動が提案されることもあります。

制作活動の可能性を探ることに興味があり、すでに子供たちと一緒にメディア制作の経験がある場合は、授業計画モデルに、制作活動の可能性についての簡単な提案がいくつか含まれています。

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ーー P-32 ーー
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第4章 笑う月
★ 予備知識

「笑う月」は複数の図形からキャラクターが作られるアニメーションです。黄色い円(笑う月)が黒い四角形から「産まれ」ます。その四角形はタングラム・パズルの個々の図形に分解されます。これらの図形が動いて組み合わさり、人、生き物、パターンを作り出します。この巧妙に構成された作品は、15 のシーンの連続からなっています。サウンドトラックはエネルギッシュで生き生きしており、画像と音のどちらが先に作られたのか分かりません。西本は、日本のフリーランスのアニメーターであり、アニメーションの講師を務めています。彼はこの映画でいくつかの賞を受賞しています。

タングラムは、画面上で図形たちが作り出す非常にリアルなキャラクターたちの相互作用を通じて、動きを描写し、物語を作り出すという、図形を操ることの無限の可能性を提示しています。この作品には舞台装置や背景が一切無いため、子どもたちは様々な情景を自由に想像することができます。

ーー P-33 ーー
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★作品の大枠

強力なサウンドトラックがあるため、映画を見ずに、まずサウンドのみを聴くことから始めるのがよいでしょう。子どもたちに、聞こえてくる音、音楽、無音状態に注目するように促します。こうすることで、細部にまで注意を払いながらリスニング・スキルを使うようになり、想像力豊かでクリエイティブな反応をするための準備が整います。また、映画を見ることで、描写力や想像力を養い、美術やデザインにつなげることができます。子どもたちに、真っ白な背景に描かれた図形を注意深く見るように促しましょう。

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★ あらすじ

ぶつかる音が聞こえます。
黄色い円が黒い四角形から抜け出そうともがいています。
円はポンと音を立てて何とか抜け出し、ホホホと笑います。
タイトル「笑う月」が現れます。
円が四角形に体当たりし、四角形はバラバラに砕けます。
砕けた図形は一連のキャラクターやオブジェクトに変化していきます。

  • タマゴを抱くニワトリ;
  • ギターを弾(はじ)くニワトリ;
  • ミュージシャン;
  • ボールを蹴ってバランスをとる男;
  • ボールをパスするサッカー選手;
  • バランスを取る軽業師;
  • 空に浮かんだ月(または太陽)に噛みつこうとする犬;
  • 唸りながら足を踏み鳴らす恐竜;
  • 2 人の人物と鳴り響くシンバル;
  • 魚;
  • 顔;
  • 鳥;
  • 2 人の人物がバイクに乗って走り去り、そして衝突;
  • 光輪をつけた 2 人の天使;
  • 図形がタングラムに再形成され、円はボックス(黒い四角)に戻ります;
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★ 鑑賞後の質問例

作品鑑賞後、子供たちのために用意されていた作業に、すぐに取り掛かることが有効です。また、以下の質問も、ディスカッションを開始したり、Cs and Ssに焦点を当てたりするのに使用できます (14 ~ 18 ページを参照)。「笑う月」は、一連の出来事、つまりストーリーやキャラクターのアクション、を探求するのに特に適しています:

  • 黄色い丸は何になる?
  • どんな音が聞こえるかな?
  • タングラムの図形はどんなキャラクターになる?
  • 男たちは何をしているの?
  • (変形して)どんな動物が作られるかな?
  • 図形はどうやって別のキャラクター(または物)に変わるのかな?
  • 図形はどういうタイミングで別のキャラクター(または物)に変化する?
ーー P-34 ーー
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★ 基礎段階

目標(詳細はページ6を参照)

  • CCL1 a, b, d; CCL2 b; CLL 5 a
  • FL1a, b, c, d; FL2 a, b, c; FL5 a, b, c.

活動

  • 画像なしでサウンドトラック(全部または一部)を聴く。子供たちが聞こえると思うすべての音をリストアップします。音を出していると思う人物や物を、順番に身振りや演技で表現してみます。
  • 映画を見て、登場する人や動物を探し出してみます。彼らは何をしていた? おなじみの文章形式を使ってリストを作成する。例えば 「2 人の男がサッカーをしていました。」 「1 頭の恐竜が足を踏み鳴らしていました。」 「2 人の天使が飛んでいました。」など
  • 各子供(またはペアの子供たち)に大きなタングラムや小さなタングラムを切り抜いて与え、どんなキャラクターが作れるかを探らせます。下、横、上、横など、位置関係を表す言葉に注目しましょう。(P-42の複製可能なテンプレートを参照)
  • 子供たちは様々な形の平らな図形を使ってキャラクターを作ります。彼らに円を四角形の上に置くなどの一連の指示を与えるても良いかもしれません。また、子供が自分でデザインしたり、パートナーに指示することもできます。
  • 子どもたちに、粘着性のある図形を使って、男、犬、恐竜など、作品に登場する単純なキャラクターを作らせ、その下に添える簡単なキャプションや文章を書かせます。
  • 子供たちに作品に出てくるキャラクターたちのための、声やアイデアを考えてもらいます。
  • 例えば、「『笑う月』はこの後、何が起こったのだろうか?」など、作品に基づいた一連の「冒険」について、クラスで本を作成します。
  • このアニメーションは背景が真っ白なため、想像力豊かに設定を考えるのに最適です。子供たちは各シーンの設定を考え、それをタングラムのキャラクターたちの周りに描き込むこともできます。(P-43〜44の静止画シートを参照)
  • 作品のキャラクターを例にして、新しい状況を作り出したり、すでにあるシーンに放り込んでみたりします。例えば、サッカーをしている二人に犬が駆け寄ったらどうなるだろう?など。これらのキャラクターのための新しいストーリーを作ってみます。
ーー P-35 ーー
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授業計画 - 「小学校入学前」

用意するもの
「Starting Stories」のVHSテープ、TV と VCR(ビデオカセットレコーダー)、大きなタングラム、切り抜いたタンパグラム(42ページ参照)、大きな文字(切り抜くか、別々の A4 シートに分けて)、ワークシート、のり、鉛筆

活動

  • 韻を踏むCVC単語*を作成し、それに合わせて、図形でできた絵を作成;
  • 大きな文字を移動させて並べ、CVC単語になるように工夫します。

事前の活動

  • 子供たちはあらかじめ作品を見て、キャラクターが出てくる順番のリストを作っておく必要があります;
  • 理想的には、彼らがタングラムを実際に経験していることが望ましい。

リテラシー学習

  • CVC単語の作り方についての知識を深めます;
  • 子供達それぞれの作文スキルを身につけます。
* CVC単語(CVC Words)とは
Consonant (子音) + Vowel(母音) + Consonant (子音)の組み合わせでできた3文字の単語のことをいいます。 英語圏の子ども達はこのような単語のアルファベット一つ一つの音を上手につなげて、正しく発音する練習をします。
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映像学習
映画の中のイメージがどのように意味を生み出すかを考えます。

導入部

クラス全体で

  • 切り抜いたタングラムを使用します。子供たちは絵作りに取り組み、映画に出てくるキャラクターを真似て自分でも作ってみます。方向や位置を表す言葉を使うよう仕向けましょう;
  • 何かをほんのわずか動かすだけで、キャラクターがガラリと変えられることを話し合います;
  • 子供たちに、図形を使って帽子を作るよう促します;
  • 同じ図形を使って、今度は猫に変えてみます;
  • さらにいくつか試してみます。例えば、人間(man) → トラック(van) → ネズミ(rat) → コウモリ(bat)など;
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発育活動

  • ペアになって、子供たちは紙に図形を隣り合わせに貼り、矢印で関係づけます。その下に、ペアで考えた単語を書いたり貼り付けたりします;
  • 子どもたちの中には、たとえば猫が帽子に変身するなどの文章を作る子も出てくるかもしれません。(彼らはさらに進めて、めくり仕掛け絵本を作るようになるかもしれません。)
※ 「めくり仕掛け絵本(lift-the-flap book)」は、子供向けの仕掛け絵本の一種です。このタイプの本は、特定のページに「フラップ」と呼ばれる開閉可能な仕掛けが付いており、フラップを持ち上げることで隠れている絵や文字が現れる構造になっています。この仕掛けによって、子供たちは楽しみながら読書を通じて物語を進めたり、学習内容を確認したりすることができます。

映像学習活動

  • 映画の中で変化を示す場面を特定します。例えば、犬が恐竜に変わる場面など。
  • ここでは、大きな図形を、床に置くか、ボードにテープで貼り付けて使用します。子どもたちは、その場面が新しいイメージになるまで、形をいろいろ動かしてみるでしょう。(指導者は)子どもたちがその変化をどのように表現したかを書きとめます。新しくできた変形イメージは、別の紙を使って保存するか、写真に撮ったりビデオで撮影したりして記録しても良いでしょう。
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まとめ
タングラムの絵をいくつか見て、例えば、猫(cat) → 帽子(hat)の次に来るコウモリ(bat)といった3番目の変化を話し合います。

リテラシー評価
書かれた言葉や話された言葉から判断して、子どもたちが簡単な韻を踏む CVC 単語を作れるかどうかを確かます。

映像学習評価
スクリーンの中の画像がどのように変化して物語の一部になったのかを、子どもたちが説明することができるだろうか。

さらなる活動

  • 遊び場で巨大なタングラムを使って遊んでみる;
  • 彼ら自身の名前や他の重要な単語の中から新しい単語を探してみる。

教科の枠を超えた活動
体育:子どもたちに、ある形から別の形にゆっくりと変化させる一連の動きをさせてみる。

ーー P-36 ーー
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授業計画 - 「1学年・1学期」

用意するもの
「Starting Stories」のVHSテープ、TV と VCR(ビデオカセットレコーダー)、紙の図形、のり、はさみ、場面のリスト(P-33の作品概要を参照)

活動
「変化」に焦点を当てます。韻を踏むパターン/文字列と図形を使用して、一日の中で自分の気持ちがどのように変化するかを表す簡単な本を作ります。

事前の活動
子供たちはあらかじめ作品を見ておく必要があります;

リテラシー学習

  • キャラクター、音、アクションのリストを作成します;
  • キャラクターたちと、それらに関連する音を説明する文章を作成します。
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映像学習

  • 視覚イメージを明確にしたり強調したりするための音の使い方を探ります。
  • 一連のシーンを判別します。

導入部

クラス全体で

  • 映画を鑑賞します。
  • 登場する人、動物、物がどのような形になるか、クラスでリストを作ります;
  • それぞれにどんな音がついているか確認します;
  • 彼らは何をしていましたか?例えば、走る、蹴る‥など;
  • 1つの動物の例を通して調べます。例えば「犬が吠えてジャンプする」など。
  • クラスをグループに分け、それぞれが 1 つの動物、物、または人、のグループに焦点を当てて、映画をもう一度見直します。
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発育活動

  • 各子供には次の見出しが付いたA4の用紙を与えます:
    「動物」 「音」 「アクション」
  • 各見出しの下に、それを説明する絵を描きます(可能であればタングラムの図形を使用);
  • それぞれの絵の下に、それを説明する簡単な文を書きます (例えば 「犬が吠えた」「犬は走った」など)。

映像学習活動

  • 音を消して絵だけの場面を見せます。子供たちに、どんな音が聞こえそうか尋ねてみましょう;
  • 適切な音を出すための物、楽器、またはその他の方法を選びます;
  • クラスで作った効果音をつけて、その場面を再生します。絵に音を同期させてみます(例えば「ボールが跳ねる時」や「月が笑う時」など)。動作の前または後に音がつくと、どのような違いが出てくるでしょう?
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まとめ
子供たちの作品をいくつか見て、音を変えたり、別のアクションを追加してみます。

リテラシー評価
簡潔なリストや文の構成ができるかどうかを確認。

映像学習評価
子供たちは、動作と音を一致させ、その効果を説明できるでしょうか(例えば、ボールが跳ねる音で重さを感じさせたり、犬の吠える声で怒りを感じさせたり)。

さらなる活動
役割を演ずることでキャラクターたちの動作を表し、それに合った効果音を考案します。

教科の枠を超えた活動

  • 数学的基本能力:運動場での巨大なタングラムなど、さまざまな大きさのタングラムを使ってみます;
  • 体育: 子どもたちは、自分の体を使って、登場するキャラクターたちのポーズをとったり、動作に合わせて声を出したりします。
ーー P-37 ーー
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授業計画 - 「1学年・2学期」

用意するもの
「Starting Stories」のVHSテープ、TV と VCR、切り抜いたタンパグラム(P-42参照)、スチル画像(P-43〜P-44参照)、のり、付箋、クリップ、セロハンテープ、磁石

活動
子どもたちは図形を使った絵を作り、適切な言葉でそれを説明します。

事前の活動
生徒たちは以前にこの映像作品を見て、タングラムを使ったことがあるかもしれません。

リテラシー学習

  • 方向や位置を表す言葉を使って、説明的な文章を書いてみます;
  • 画像がどのように変化するかを口頭で説明できるようになります。
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映像学習

  • 画像からどのように意味が生まれるかを調べます;
  • 映像がどのようにして動きを表しているのかを明らかにします。
  • 視覚的なイメージを明確にしたり強調するために、音がどのように使われているかを調べます。

導入部

クラス全体で

  • 作品を鑑賞します。
  • 子どもたちと一緒に、登場するキャラクターたちをリストアップします (任意のキャラクターを選ぶことも、動物と人物などにグループ化することもできます)。
  • 可能であれば、新しいキャラクターごとに映像を一時停止するか、映像から抜き出したスチル画像を使用します。
  • 位置や方向や形態の言語を使用して、それぞれがどのように作られているかを調べます (例えば、「頭は上向きの三角形です」など)。
  • キャラクターたちがどのように動くかを話し合ってみましょう。(例えば、けいれんのような動き、転がる動きなど‥‥)。;
  • 作品の一部を音無しで見てみます。音はどのように動きに加えられているでしょう? (例えば、ボールが跳ねる音など)。
  • 大きなタングラムを使って映画に登場したキャラクターを作成するか、新しいキャラクターを考案してみましょう。完成したら「左ひじの三角形」などの付箋を付けます。
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発育活動

  • それぞれの子供またはペアになった子供たちは、タングラムの図形セットを持っていて、それを使ってキャラクターを作り、それについて説明します。
  • 次に付箋に説明を書いて、絵の周囲に貼ります。
  • 子供たちに文章を書かせて、さらに発展させます。例えば、「アイスクリームは三角形の上の円で作られています」など。
  • 子供たちに語彙シートを使わせて、作業を補助することもできます。

映像学習活動

  • 物がどのように動くかを示す他の映像場面を見つけます。例えば、車が発車して走り出したり、動物が走ったりなど。これらの映像に合わせて音を作ったり、適切な音楽を流したりします。動きの速い映像にゆっくりとした音楽を流すと、何が起きるでしょうか?
  • 子供たちのグループで、タングラム図形を使って短いアニメーションを作ることができるかもしれません。これらをつなげると、クラスみんなで、動く図形の映画を作ることも可能です。映像に合わせて、サウンドトラックを追加したり、音楽や効果音を生演奏したりもできます。
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まとめ
大きなタングラムを使って、どのように図形を動かしてキャラクターを作るかを説明します。

リテラシー評価
言葉の使い方についての継続的な振り返りが、喋ったり書いたりする形でできるだろうか。

映像学習評価

  • 子供たちは他の映画の動きを説明し、その動きに合う適切な音や音楽を選ぶことができるだろうか。
  • 子どもたちは、動く図形で表される独自の映像シーンを作ることができるだろうか。

さらなる活動

  • 子供たちが大きなタングラムを作り、各図形の裏にクリップを付けたりするかもしれません。図形を移動させて新しいキャラクターを作るために、厚紙の裏に磁石も使ってみましょう。
  • 日用品がいかにさまざまな形の集合体であるかを見てみよう。

教科の枠を超えた活動
体育: 子供たちに自分の体を使ってさまざまな物の形を作るように指示し、音楽に合わせてその形を動かして、音楽が止まったら動きもピタリと止めます。

ーー P-38 ーー
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授業計画 - 「1学年・3学期」

用意するもの
「Starting Stories」のVHSテープ、TV と VCR(ビデオカセットレコーダー)、紙、鉛筆、大きく書かれた詩のお手本、個別の詩のお手本(差別化された)

活動
お手本を見て詩を書いてみます。

事前の活動
子供たちはあらかじめ作品を鑑賞し、登場する物、人、動物について話し合っておく必要があります。

リテラシー学習
詩のお手本を使って詩を書きますが、そこでは現在形の動詞と方向を示す言葉を使用するようにします。

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映像学習

  • 映像からどのように意味が生まれるかを発見します;
  • 作品がどのように音と映像を組み合わせているかを探ります。

導入部

クラス全体で

  • 時々一時停止しながら作品を観て、回転する、転がる、踏みつけるなど、図形の動きを表す単語やフレーズを書き出します。
    ここでは「_____ はどのように動いていましたか?」「________ はどのように動きましたか?」などの質問をして回答を促しましょう。単語の末尾の「ing」に注意してください。
  • 上下に、ぐるぐる回って、横切って、横向きに、出たり入ったり、など、方向を表す言葉を集めてみます。
  • 例えば次のような詩の見本を紹介して完成させましょう。
    Shapes ______ing up and down(上下に ______ している形)
    Shapes ______ing round and round(ぐるぐると ______ している形)
    Shapes ______ing _________ ( ______のように ______ している形)など。
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発育活動
グループまたは個人で、子供たちはそれぞれの能力に応じて、できる範囲でお手本の詩を完成させます。

映像学習活動

  • 映画のサウンドトラックの一部をテープに録音します。
  • 元の音をオフにして映画を再生し、「間違った」映像の場面に録音した音を重ねてみます。その効果について話し合いましょう。

まとめ

  • 子供たちの詩を大きな声で読み上げます。表情とリズムを加えるお手本を示します。
  • 効果音をつけ加えても良いかもしれません。
  • 詩で使用されている、方向を示す言葉と同じ動作をしても良いかもしれません。

注:単語のリストは、学期中に増やしていけるクラス全体の財産とします。

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リテラシー評価

  • 授業中にテーマにした語彙について感想を述べます;
  • 想像力豊かに、適切な動詞を使えているでしょうか;
  • リズムやパターンを意識して読み上げているでしょうか。

映像学習評価
子供たちが、音がどのように映像と調和しているか、そして「間違った」音が映像の印象をどのように変えるのかについて説明できる。

さらなる活動

  • さまざまなテキストを調べて、現在形で説明できる画像を見つけます。
  • 詩のモデルとなる他の画像を見つけます。

教科の枠を超えた活動

  • 体育: 揺れている、ねじれている、転がっている、跳ねているなどの「ing(進行形)」リストを使用します。
  • 美術: タングラムの形を使用して、新しいキャラクターやオブジェ、抽象的なパターンを創作します。
ーー P-39 ーー
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授業計画 - 「2学年・1学期」

用意するもの
「Starting Stories」のVHSテープ、TV と VCR(ビデオカセットレコーダー)、洗濯ロープ、洗濯ばさみ、矢印カード、鉛筆、接続詞のリストと映像のスチル画像シート(A3に拡大して切り取る)

活動
さまざまなキャラクターに変身するというアイデアに基づいて、接続詞を含む文章を書きます。

事前の活動
特に必要ありません。

リテラシー学習
文章での流れをより自然にするために、文をつなぐスキルをを身につけます;
「時間を表す言葉」の語彙を増やします。

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映像学習

  • 映像からどのように意味が生まれるかを発見します;
  • 作品がどのように音と映像を組み合わせているかを探ります。

導入部

クラス全体で

  • 作品を鑑賞します。子供たちには、キャラクターたちがどのように変化するのかをしっかり見るよう促します。例えば、2人が乗ったバイクが衝突して天使に変身したり、犬がジャンプして恐竜に変身したりなど;
  • さらに今度は一時停止しながら、もう一度観て、次に何が起こるかを子供たちに予測させます。映像を観ながら、関連するスチル画像を洗濯ロープにピンで留め、各画像の間の間隔を空けます;
  • つなぐ働きをする言い回しと接続詞について話し合い、矢印カードに各場面をつなぐ単語または言い回しを書きます;
  • これらを「変身する」画像の間に挟み込みます。
  • つながりを示す言葉を使用して、映像の流れを読み上げます。
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発育活動

  • 子供たちに、自分自身が何にでも変身できる魔法のような存在だと想像してもらいます;
  • 彼らはそれぞれ 1枚の紙を受けとり、それを 3つの部分に分け、連続した3枚の絵を描いて、どのように「変身」するかを表します。
  • 彼らは「つながりを表す」言い回しや単語を使って、変身を説明する文章を書きます。例えば「私は草の上の黒猫です。その後、私は小さなカタツムリに変身します。そしてしばらくすると...」など。

映像学習活動

  • この作品のいくつかの「変身部分」を見て、他の映画(例えば、シンデレラやシュレック)の変身シーンと比較します。
  • 他の映画制作者は、変化を示すためにどのような効果を使用しているでしょうか? 例えば、煙や星や霧を吹き出すなど。
  • 子供たちは「笑う月」の各変身に、どのような特殊効果を使うだろうか?
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まとめ
何人かの子供に、彼らの変身を読み上げながら演じてもらいます。

リテラシー評価

  • 子供たちはしっかりした文章や喋り言葉で、多様な「つながり」を使って表現してるだろうか?
  • 書かれた文章構成から、その裏付けを探してみます。

映像学習評価

  • 子どもたちは、物事の変化を見せるために、それら効果が、どのように動きを速めたり遅くしたりしているかを説明できるか。
  • 子どもたちは、ある物から別の物への変化を言葉で表現しながら各場面を解説できるか。

さらなる活動
タングラムを使って、映画の一連の場面を作成してみます。

教科の枠を超えた活動

  • 美術:大きなタングラムを使ってキャラクターを作成してみましょう。
  • ドラマ/ダンス:変化する動きと変身に取り組んでみましょう。
ーー P-40 ーー
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授業計画 - 「2学年・2学期」

用意するもの
「Starting Stories」のVHSテープ、TV と VCR(ビデオカセットレコーダー)、紙、鉛筆、録音機器/テープレコーダー;楽器

活動
サウンドトラックからストーリーを作成します。

事前の活動
子供たちには、事前にこの映像を見せません。

リテラシー学習

  • 語彙を増やします;
  • 一連のイベントとしてのストーリーを構築するスキルを発展させます。
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映像学習

  • 画像、音楽、効果音が、どのように組み合わさって映像言語を作り出しているかを探ります。;
  • アイデアの明確な順序が、いかに重要かを検討します。

導入部

クラス全体で

  • まず、テレビ画面を覆うか、向きを変えて子供たちからは見えないようにします。その後、サウンドトラックの最初の 30 秒から 1 分間を再生します。
  • 子どもたちに、何が聞こえたかを尋ねます。「何か聞き覚えのある音かな?」「何か聞きなれない奇妙な音かな?」など。
  • サウンドトラックをもう一度再生します。それを聞きながら、子供たちは聞こえたものを(非常にすばやく簡単なスケッチで)絵にします。
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発育活動

  • まず供たちはペアになって、絵を交換します。
  • 絵に基づいてお互いに物語を語り合います。 例えば、次のような例を使って、お手本を示すことができます。
    ニワトリの絵:「むかしむかし、ニワトリがお散歩に出かけました。」
    ボトルの絵:「ボトルがニワトリの頭に当たりました。それでニワトリは倒れました。」

映像学習活動

  • 子どもたちはペアになって、タングラムの図形を使いながら短いアニメーションを作り、自分たちなりの出来事を再現します。
  • 彼らは、自分たちのイメージと物語を強化するために、独自のサウンドトラックを追加します。
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まとめ
いくつかの例を読み上げ、絵も見せます。

リテラシー評価
順序良く並べて書いたり話したりできたでしょうか。

映像学習評価

  • 子供たちは、明確な一連の出来事を作成できたか。また物語を作り上げるために、出来事の変化をうまく活用できただろうか。
  • 子供たちは、自分たちのイメージに添える適切な音楽や音を選択できたか。また、それらの関連性をを説明できただろうか。

さらなる活動
子供たちは、新しい物語を作って、それに添える独自のサウンドトラックを作成することもできます。

ーー P-41 ーー
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授業計画 - 「2学年・3学期」

用意するもの
「Starting Stories」のVHSテープ、TV と VCR(ビデオカセットレコーダー)、大きなタングラム、タングラムの図形 (P-42のひな型を参照)、ストーリーボード(絵コンテ)のひな型(P-89参照)

活動
映像作品に登場するキャラクターをもとにして、なぞなぞを書いてみます。

事前の活動
子供たちはあらかじめ映像を見て、一般的な質問にも答えておく必要があります。

リテラシー学習

  • 疑問符、カンマの使い方、文の組み立て方などを習得します。
  • 会話を書き出すことで、話し言葉について考えてみます。
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映像学習

  • 映像がどのように動きのスタイルを表しているのかを調べます。
  • 言葉を使わずに、ユーモアがどのように表現されるのかを理解します。
  • 切り抜きアニメーションを用いて、キャラクターたちがどのように作られているのかを調べます。

導入部

クラス全体で

  • 映像を観て、登場するキャラクターたちを確認します。
  • いくつかのキャラクターをとりあげて、それらがどのように作られているのかを説明します。例えば、犬の尻尾は三角形で、足は2つの長方形で作られている、など。
  • 大きなタングラムを用いて、キャラクターを作ってみます。
  • なぞなぞの書き方について話し合い、クラスのキャラクターのための見本となる、なぞなぞを作ります。
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発育活動

  • 子どもたちは図形の周りに絵を描いたり、切り抜いたタングラムを使用して新しいキャラクターを考案します。
  • 作ったキャラクターが気に入ったら、図形を紙に貼り付けて固定しても良いでしょう。
  • 次に、図形の名前を使ってなぞなぞを書き添えます。たとえば、次のようになります。
    私の帽子は三角形です。
    私の顔は円です。
    私の体は三角形です。
    私は何でしょう?

映像学習活動

  • 子供たちに映像作品を観せて、どの部分が笑えるかを見つけてもらいます。誰かが転んだり、効果音だったり、ギターを弾くニワトリなどの奇妙な出来事だったりでしょうか?映像の中のキャラクターをひとつ選ぶか、タングラムを使って新たにキャラクターを作って、一連の面白い出来事を創作します。この活動は、描いた絵や、短いアニメーション、またはストーリーボードで行なってもかまいません。
  • 「笑う月」での音の使い方が、どのようにユーモアを加えているか考えてみましょう。映像はそれだけで笑えるのか、それとも音と映像の組み合わせで笑いを誘うのだろうか。効果音を使ってユーモアを演出しているアニメーションを見てみましょう。例えば、「トムとジェリー」や「ロードランナー」など。
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まとめ
いくつかのなぞなぞを読み上げて、子供たちにそれがどんなキャラクターなのか想像してみるよう促します。

リテラシー評価

  • 書かれたものを見て、文の構成について調べます;
  • 喋られた言葉を通して、読解力を計ります。

映像学習評価

  • 子供たちは、どの音が可笑しいか、またそれらがどんな効果を持っているかについて説明できるか;
  • 子供たちは、図形を使ってキャラクターを作り、「命を吹き込み」、動かすことができるか。

さらなる活動
大きな紙にタングラムでできたキャラクターをふたつ描き、「私は...を持っています」「あなたは...です」などと書かれた吹き出しをつける。

教科の枠を超えた活動
子供たちに、図形の歴史なども含めて、タングラムについて何ができるか調べてもらいましょう。これは、インターネットを使っての研究活動のきっかけになるかもしれません。

ーー P-42 ーー
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ーー P-43 ーー
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ーー P-44 ーー
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ーー P-89 ーー
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ーー ページ6 ーー
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映画、コミュニケーション、言語およびリテラシーのための基礎段階目標

以下の目標と目的は、子どもの言語スキルの発展が映画言語の学習とどのように結びつけられるかを示しています。初期学習の目標の例は、イングランドの基礎段階のカリキュラムガイダンスノートから引用されていますが、すべての幼児教育環境に適用可能です。

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- IMPRINT -
Starting Stories
- A film and literacy resource for three- to seven-year-olds -

This guide was developed and written by Hilary Pearce,3-14 Development Officer, bfi Education
Lesson plans were contributed by Rebecca Lawrence,Early Years Arts Education specialist
Additional material from Dr Jackie Marsh, Senior Lecturer in Education, University of Sheffield

Editor: Wendy Earle
Product development: Caren Willig
Designed by Amanda Hawkes

Copyright © 2003 British Film Institute
First published in 2003 by bfi Education,
21 Stephen Street, London W1T 1LN

- 奥付 -
スターティング ストーリーズ
- 3歳から7歳までの子供向けの映画と読み書きのリソース -

このガイドは、BFI教育部の3-14歳開発担当官であるヒラリー・ピアースによって開発および執筆されました。
レッスンプランは、幼年期芸術教育専門家であるレベッカ・ローレンスによって提供されました。
追加資料は、シェフィールド大学の教育学上級講師であるジャッキー・マーシュ博士によって提供されました。

編集者:ウェンディ・アール
製品開発:カレン・ウィリグ
デザイン:アマンダ・ホークス

著作権 © 2003 英国映画協会(BFI)
初版発行:2003年、BFI教育部、
21 Stephen Street, London W1T 1LN