人々がコミュニケーションする課程で、メッセージはどのような要因で、どのように変容・変形されるのだろうか。またメディアの違いによってメッセージの伝わり方に違いはあるのだろうか。
この課題では情報デザインへの導入部として、様々なメディア 言葉、イメージ(画像)、地図、ジェスチャー(身振り)、映像などを取り上げ、人間の認知的メカニズムがコミュニケーション・デザインにどのように関わっているのかを実験をとおして学習します。
また同時に、実験・観察・記録の方法と情報の分析の方法も習得します。
ここでは、メッセージの構成、コミュニケーションの流れ、メディアの特性、認知の仕組み、理解と記憶のメカニズムなどを考察し、コミュニケーション・プロセス、情報の交換という視点から、コミュニケーションとデザインの関係を改めて考えてみることがねらいです。
「言葉」「イメージ(静止画像)」「ジェスチャー(身振り)」「地図」「映像」
実験用の視聴サンプルのVTR撮影
(地図を指し示しながら目的地までの道のりを説明する様子を撮影)
1:被験者Bがモニタで素材VTRの説明を見て覚える
(メモはとらない)
2:被験者Bが記憶を基に他人に説明するための地図の再現と説明用メモを作成する
(被験者には頭で考えたことを常に口に出しながら描いてもらい、その様子を手元の図画面を中心にVTR録画する)
3:被験者Bが自分で描いた地図を用いて、説明用メモを見ながら、他人に道案内するつもりで図の説明をする
藤子不二雄のマンガ「オバケのQ太郎」の一コマを取り上げ、画像情報がどのように伝わっていくのか、どのように記憶されていくのかを実験を通して調べました。
(末安、菊野、沼田、濵田、
岡本、高橋)
NHK Eテレの番組「もういちど日本」を実験素材として取り上げ、映像メディアにおいて情報がどのように伝わっていくのかを考えます。
(ファン、篠崎、石上、清水、
岡野)
藤子不二雄のマンガ「オバケのQ太郎」からのひとコマを素材にして、静止画像の伝わり方や記憶への残り方を調べました。
(石川、河原、小玉、ハン、
森脇、米山、)
朝日新聞「天声人語」を素材に、文章を読み上げた音声情報を人々はどう解釈し、どう整理して、他の人に伝えようとするのかを分析しています。
(石川、大石、木南、斎藤、東)
藤子不二雄のマンガ「オバケのQ太郎」からのひとコマを素材にして、静止画像の伝わり方や記憶への残り方を調べました。
(浅井、蜂谷、保坂、松川)
地図を指し示しながら、目的地までの道順を案内する映像を被験者に見てもらい、地図情報の記憶の仕方、伝わり方をさぐります。
(市ヶ谷、佐藤、磯崎、松下、米山)
私たちがふだん銀行のATMを使って振り込み操作をしたり、インターネットでチケットを
買ったり調べものをしたりするとき、
そこではモニターの向こうの世界と私たちのあいだで何が起きているのでしょうか。
この課題では、情報デザインにおける人間とコンピュータとのインタラクティブな(対話的な)プロセスを、実際にユーザーの操作テストを行い、そのデータの分析をとおして考察し、改善案もさぐっていきます。
- 情報の整理による快適な操作を試みる -
スマートフォン用アプリ「Yahoo! MAP」を取り上げ、実験を通してインタフェース、ユーザビリティの問題を探ります
-2ちゃんねるアプリ、JaneStyleのユーザビリティ-
電子掲示板サイト2ちゃんねるのブラウジングアプリ「JaneStyle」を取り上げ、新規ユーザーに対して不親切な設計の問題を考察し、改善案を提示します
トム出版再構成
同人誌印刷会社のwebサイトに関して、分かりづらい料金表の問題点を、グラフィカルな面と構造的な面の両方から考察し、改善案をさぐります
暗黙の了解の解消による 新規ユーザーの獲得
個人の売り手と個人の買い手を結び、商品の売買をサポートするアプリケーション「メルカリ」を取り上げ、分かりにくさの理由をさぐって、新規ユーザーにとっても参入しやすいものになるよう、改善策を提案します
D.A.ノーマンの著書「誰のためのデザイン? - 認知科学者のデザイン原論 - 増補・改訂版」(原題:"The Design of Everyday Things - Revised and Expanded Edition" )をまず読んでもらいます。
その後、その内容について考え、日常生活で無意識に利用している道具、機器、インタフェース、サイン、空間、状況、等々から、各自、使い勝手の悪いものを—つ取り上げて、そのデザインの問題点についてレポートを作成し、HTMLファイルとして提出します。
この課題の目的は主に以下の三点です。
行為の可能性と機器の状態を判断できる
行為の結果と現在の状態についての情報。行為に対する反応。
システムの構造や使い方の概念図。ユーザーのメンタルモデルとデザイナーのデザインモデルが一致するのが望ましい
行為の可能性
事物の知覚された使用可能性。知覚されたアフォーダンス。
二つ以上のものの間で、直感的に、位置や色などで関係づけること
行為の可能性、物理的制約、論理的制約、意味的な制約、文化的な制約があり、行為を導く
大学8号館のシグニファイアーの乏しいドアー(押すのか引くのか分かりづらいので、わざわざ誰かがドアノブの上に文字を貼り付けてくれています)
2015年4月撮影
大学9号館の文化的制約を無視したドアー(赤い壁の赤いドアーが男性用、グレーのドアが女性用。慌てて女性用トイレに駆け込んでしまった男性もいたようです)
2015年4月撮影
「誰のためのデザイン? - 認知科学者のデザイン原論 - 増補・改訂版」表紙イメージ
なぜこうもキーボードのキー配列は覚えづらく訓練が必要なものとなっているのだろうか。
それはおそらくキーボードのデザインが悪いせいではないだろうか。
その理由を、2つの観点で考えてみた。