まず「デザイン思考」の ワークショップを行い、その後、身近な題材を取り上げて「デザイン思考」のプロセスを用いて問題の解決を図ることを試みます。
「デザイン思考」とは、本当の問題点を見つけ出し、より良い解決法をさぐり、実践するための、思考のプロセスをいいます。 ここでの特徴は、人間中心主義の思想と発散・収束のプロセスモデルの行程を踏まえた活動、触覚的・視覚的なアプローチ、素早い活動と反復です。このプロセスを踏まえることでユーザーに対するより深いインサイトを得ることができ、発散法により思考の障害を取り除くことで、より広い解決法を探ることができます。
第3課題に取り組むにあたって、まず李ナレ先生による「デザイン思考」の ワークショップを行い、そのプロセスを体験しました。
Step1:共感(人間中心主義の思想のもとに、ユーザーのニーズを探り、インサイトを得る)
IW(個人ワーク):自分の体験を思い出す(3分): → ポストイットにメモ
GW(グループワーク):事前準備(15分): 体験の共有
グループ内で1人ずつ個人の体験を発表し、その中から「一番解決してほしいがっかり体験」をひとつ選ぶ
事前準備(2分): 役割決め インタビューの役割を決める
GW:インタビュー(5分)
他班から来てくれたインタビューされる人(A→B、B→C、C→A)に「食にまつわる“がっかり体験”」をインタビュー (体験と気持ちをきちんと聞き出す)
GW:深堀りインタビュー(5分)
相手の考え、気持ちを探ってみる 具体的に詳しく聞く
GW:グループ内で共有(10分)
インタビューで得た内容をグループ内で共有、振り返りを行う。 自分のグループのインタビューには参加していない「インタビューされる人」役だったメンバーにも情報を共有
感想、共有振り返りタイム(ひとり1分)
・気づき、発見
・不明点
Step2:問題定義(ユーザーニーズとインサイトに基づき、解決する課題を決める)
共感マップ作り
共感ツリーフォーマット作成(1分)
気になった発言や矛盾した発言をまとめる/ ピックアップする(4分)
発言をもとに相手の考えや気持ちを推測、解釈する(8分)
GW:問題定義文の作成(10分) ニーズ、インサイトをポストイットにどんどん書き、選択・統合 して問題定義文を作成し着眼点を決める
ひとつに絞り込む(5分)
Step3:創造(定義した問題の解決策を考え、アイデアをたくさん出し、絞り込む)
IW:アイデアを出す(10分)
IW:アイディア検討(3分)
GW:アイディア出し(7分)
GW:アイデアを分類(5分)有⽤性 ⾰新性 実現性の面から検討
GW:アイデアを1つ選ぶ(5分)
GW:振り返り(5分)問題定義の確認(何をテストしようとしているのか?)
Step4:プロトタイプ
(ユーザー手に取ったり、その場で試せるように、アイデアを表現したものを作る) ・見た目・機能・プロセスなど、何を試すかによって形を決める 普通、精度は求められない
GW:プロトタイプ整理シートを使い、
①確認したい仮説を考えひとつに絞る
②仮説を検証できるプロトタイプを2パターン考える
GW:プロトタイプ作成
(材料:ポストイット ドラフトテープ 紙粘土 等々)
Step5:テスト
(ユーザーからフィードバックを得ることで、次の方向性を見出すための、より深い共感ができる)
GW:テストの役割分担を決める(1分)
① 進行役(インタビュワー) ・司会進行の役 ・状況やタスクの説明をする
② プロトタイプ役 ・ユーザーの操作に合わせてプロトタイプを操作する役 ・スムーズな進行を心がける
③ 観察役 ・観察してメモをとる役 ・ポストイットなどを活用
④ 質問役 ・どうしたか、なぜかを質問する役(今回のワークショップでは全員で質問する)
GW:プロトタイプの説明を考え、シートを作って整理(6分) GW:3グループ交互にテスト(3分)とFB(フィードバック)(3分)
①テストの目的や確認したいことの再確認
②体験してもらうシチュエーションや状況の整理
③聞いておくと良いと思う質問、テストの後に質問したい内容などを書き留めておく
GW:3グループ交互にテスト(3分)とFB(フィードバック)(3分)
GW:フィードバックマップを作成(8分) +良い点、 △改善点、 ?疑問点、 !アイデア
GW:まとめ&振り返り
1.フィードバックをまとめる
2.次のアクションを明確にする
今回のワークショップのゴール
デザイン思考を実践的に学び、 現場で直面する不確実性に適応し、 現場で実践するイメージをつかむ
前提講義
Step1:共感 自分の体験を思い出す
体験の共有
インタビュー
Step2:問題定義 共感マップ作り
問題定義文の作成
Step3:創造 アイデア出し
Step4:プロトタイプ プロトタイプの作成
Step5:テスト
身近なテーマとして学内で普段利用している施設やて店舗などを取り上げ、問題点を改善する課題が第3課題として提出されました。
図書館のリサーチ
図書館リサーチ後の話し合い
共感マップ作り
共感マップ作り
プロトタイプでの実験(仕切りがある場合)
プロトタイプでの実験(仕切りがない場合)
プロトタイプでの実験(個別の空間の場合)
テスト後のインタビュー
2018年10月19日 10号館308教室
現代における社会的なテーマを設定して、情報デザインで問題を解決したり、可能性を広げる方法を考え、プロトタイプを作って発表します。
前期後期で学習した情報デザインのスキル、技術、理論、方法、プロセスなどを応用、展開し、情報デザインに関連するテーマを自由に設定して、そのデザイン制作を行ないます。ここでは新しいメディア環境の中で起きている事柄や、身近な生活の中で皆さんが感じている問題、現代社会における様々な軋轢など、視野を広げて考察し、問題定義に至ることが重要です。 またデザイン思考のプロセスの中で、常に本質的な部分に立ち返り、何が問題だったのかを忘れず、外れていれば新たにやり直す勇気も必要になります。 この課題を通して、新しいデザインの分野、情報デザインの必要性・可能性を感じて欲しいと思います。 急激に進む情報化社会、技術革新や思考のフレームが大きく変わりつつある現代にあって、若いあなた方の柔軟な思考、斬新なアイデアを期待しています。
「生活習慣病」と「若者と投票の関係」を考察し、共感、問題定義、プロトタイプ、テスト、のプロセスを踏まえて、問題の解決をはかりました。