このサイトについて:
このサイトでYouTubeにリンクしたアニメーションは、筆者(西本)が武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科の授業で、学生さんたちに紹介した内外のアニメーション作品のうち、現在YouTubeなどで観ることのできる作品を主に取り上げています。また原理的な説明ムービーの大部分は、私自身が授業のための教材として制作したインタラクティブなムービーを現在のブラウザでも再生できるように改変したものです。
事前にできるだけ動作確認などの検証はしたつもりですが、使用するデバイスやブラウザの違いなどで、読み込みに時間がかかったり、反応が遅かったりする部分があるかもしれません。
また当サイトは、今後も情報を更新したり新たに追加して、徐々に充実させて行ければと考えています。
何か新しい情報やお気付きの点、疑問点などありましたら、下記メールアドレスまで 気軽にご連絡いただければ幸いです。
本サイトのメールアドレス:contact@killanim.com
略歴:
フリーランス・アニメーターとしての仕事歴:
叔父、三輪享良について:
母の弟、三輪享良から直接は絵画、芸術に対する教えを受けたことはありませんが、彼の音楽や絵画に対する活動を側で見て育ったことは、私の進む方向にに少なからぬ影響があったと思います。
この機会に叔父 三輪享良と彼の作品を紹介したいと思います。
下村千早先生について:
下村千早先生は私(西本)が武蔵野美術大学に入学したとき、まだ着任したばかりで若く、新しいデザイン教育に精力的に取り組んでいました。
入学前の高校や予備校での美術・デザイン教育とは全く異なる大学ならではの授業内容は大変面白く、学ぶことが多々ありました。
下村先生の教育・研究活動の一端を紹介したいと思います。
浦山桐郎監督について:
浦山桐郎監督は「キューポラのある街」「私が棄てた女」などの作品で著名な映画監督ですが、私(西本)が大学4年時には非常勤講師として映像の授業を担当されていて、映画の基本を教えるだけでなく、その強烈な個性で、受講生たちに大きな影響を与えていました。
浦山桐郎監督の作品と生涯については多くの書物や映像で語られていますので、ここでは大学での教育面での活動の一端も交えて紹介したいと思います。
CD-Iマルチメディアについて
1986年、市場には音楽のためのコンパクトディスク(CD)のみで、まだDVDディスクが発売されていない時代に、オランダのフィリップス社によってCompact Disk Interactive(CD-I)というメディアが開発されました。
これは既存のCDに文字・画像・映像・音声のデータを記録し、インタラクティブに再生できるようプログラミングされたものでした。
これを再生するためには、専用のCD-Iプレーヤーが必要で、日本では1992年に発売されましたが、すでに家庭用ゲーム機が開発されていて、光学ドライブを採用したセガ・サターン(1994年)やSONY・PlayStationなども発売され、苦戦を強いられた後、1998年撤退に至りました。
しかし、CDという非常に限られたデータ量と処理速度という制約の下で、インタラクティブなアニメーション表現に挑戦できたことは、私(西本)にとって貴重な経験になりました。
CD-I「あいうえお」は1992年に発売されたCD-Iディスクで、4〜6歳向けの知育ソフトとして電子メディア・サービス(株)のプロデューサー、千葉雅哉氏の下で制作され、AVAマルチメディアグラプリ・教育アプリケーション賞を受賞しています。
私が関わった部分から、一部抜き出してムービーとして紹介します。
私は武蔵野美術大学を卒業後、同大学視覚伝達デザイン学科で助手として勤めた後、フリーランスとしてアニメーション制作の活動をしながら1985年から非常勤講師として、また2005年から2022年まで専任の教員としてデザイン・アニメーション教育にも関わってきました。
ここでは私が関わった1年生へのデザイン基礎教育、2〜3年生へのアニメーション・情報デザイン教育、4年生へのゼミの内容を簡単に紹介したいと思います。
及部先生は東京芸術大学を卒業後、すでにデザイナーとして劇場公演ポスターなどを手がけていましたが、1969年に武蔵野美術大学 造形学部 商業デザイン専攻(現:視覚伝達デザイン学科)専任講師に就任されました。
1年生の複合授業で担当した空間構成では、手のシンボリックな側面を考察し、手による行為を立方体の粘土の中に記録し、それをスライスしながら板紙に写しとり、さらに切り抜いて重ねて積層体に置き換える課題を考案しました。(「作品例」 → 「積層体」参照)
また他学年では、段ボールを使って独自のデザインで制作した全身で遊べる大きな遊具を幼稚園に持ち込んで子供達の遊ぶ様子を観察し、そのデザイン性を検証する授業、演劇的手法を取り入れ、地域社会とつながる場を作るワークショップ「小さな夏休み」など、非常にユニークで環境デザイン教育の先駆けとなる活動を精力的に展開されました。
その活動・理念はのちの教育者にも引き継がれ、現在も視覚伝達デザイン学科の授業に反映されています。
ここでは学生時代からこれまでの作品を自主制作のものを中心にいくつかご紹介します。これまでの章で取り上げた作品と重複する部分もありますが、ご容赦ください。
私が大学3年生の時に、フィルムデザインという授業があり、そこで出された「トランスフォーメーション(変形)という課題に答えて作成した作品です。
これは私が初めて制作したアニメーションで、一枚一枚、動画用紙に動きを描いていき、黒い部分はマジックインキで塗りつぶしています。当時は錯視の表現に強い関心を持っていて、課題作品に応用してみたものです。
私が視覚伝達デザイン学科の助手時代に手掛け、退任後一年間をかけて完成させた作品です。
当時、学科では一年生への複合課題として「手」をテーマに出題し、人間の手を機能的、造形的、文化的側面から考察して、平面構成、色彩構成、製図、エディトリアルデザインへと展開していました。そこでは粘土で立方体を作り、その立方体に手を入れて動かし、その行為によってできた穴をスライスしながら紙に転写して、ボール紙に移し変えて積層立体として再現するという課題がありました。
その課題で提出された形を素材に、動く造形としてアニメーション化したものが本作品です。
「積層体」の元となった複合課題「手」は、下記のプログラムで展開されました。
↑ 2080年版 複合課題「手」の冊子
左下の解説文には「握手:『て』を中心的テーマにしたデザインの基礎実習の習作から。手の行為やその軌跡の形体を可塑性の粘土でとらえる。粘土のネガティブな手の実体を切断して、積層体の空間の手に変換する。」とあります。
↑ 複合課題「手」で提出された作品例
私が助手時代に作りかけ、『積層体』と並行して作業していたのですが、『積層体』を優先したため、未完成に終わった作品です。
当時ビートルズの音楽に魅せられていて、ジョージ・ダニングの『イエローサブマリン』よりも深いイメージのミュージック・ビデオを作りたいと意気込んでいました。未完成のため、音楽が途切れたりして、見苦しい点は多々ありますが、作ろうとしたイメージは伝わるのではないでしょうか。
ビートルズのアルバム「マジカル・ミステリーツアー」から「I am the walrus」の曲に合わせて展開させています。
紙に色鉛筆で描いたキャラクターを切り抜いて、セルに貼り付けたものを置き換えながら撮影していきました。
1985年つくば万国博覧会において、三菱未来館の入り口のモニターにエンドレスで流されていたアニメーションです。 ジェット機に乗ったニュートンの落としたリンゴがスペースシャトルになり、太古に遡って、古代魚から恐竜、恐竜からワシ、ワシからジェット機へと変化していきます。
黄色い円と黒い正方形を分割した計12個の幾何形態が組み合わさって、いろいろな物にメタモルフォーゼを繰り返すアニメーションです。
ミニマルな要素でどういう表現が可能なのかを試した作品です。
No.52とNo.53で、少し詳しく紹介しています。
2014年に川越美術館で開催された『大きいゴジラ・小さいゴジラ展』の展示物のひとつとして、武蔵野美術大学構内でコマ撮り撮影したアニメーションに、2023年、新たにタイトルとサウンドを加えて完成させた作品です。
2011年の東日本大震災と福島原発事故の記憶が、まだ生々しい時期に開かれた展覧会でした。
あとがき・補筆
ロゴマークについて:
上のロゴ「A?A!」は、「Animation? Animation!」の頭文字で、既成のフォントを置き換えて動きを作り、インタラクティブなアニメーションにしたものです。 書籍「アニメーション 想像をいざなう形と動き」(及び当サイト)では、アニメーションの原理とそれを踏まえた装置、またリピート表現やメタモルフォーゼなど、アニメーションのメディアとしての特性、それらを活用した短い映像作品を主として紹介しています。
したがって、このロゴは、一般のメディアで人気のある、キャラクターや物語性を重視したアニメーションとは異なる世界を扱っているという意味で、「これもアニメーション? これがアニメーション!」というメッセージを込めたものです。
アニメーションの歴史と可能性について:
当書籍でも述べていますが、歴史を俯瞰すると、アニメーションは19世紀前半にすでに発明されていて、その原理と幻灯機、写真の技術が合体されて19世紀末に映画が誕生しました。
映画が発明されると、まず実写の映画が爆発的に世界を席巻し、実写映画が本来の映画で、アニメーションは映画の特殊な一分野という位置づけとなりました。
アニメーションも当初は短い繰り返しの動きであったり、特殊効果の一部として用いられていましたが、すぐに映画のメカニズムの利点(長尺のフィルムや自動シャッターによる正確なフレーム再生、等々‥‥)を使ってアニメーション独自の技術を発展させて行き、実写と合成する形でリアルな人形アニメーションが用いられたり、長編のアニメーションを制作するシステムの構築なども行われました。
それは静止した画像を連続投影して動きのイリュージョンを生み出すアニメーションの原理を踏まえながら、背景と動くキャラクターを分けて構成することや、動きを分解して合理的に作画する工夫などを通して、人間の視覚(知覚)の特性を探ることにもつながります。
さらに20世紀後半、映画制作にコンピュータが導入されると、映像技術は急速に発展し、3DCGを使って実写と見紛う映像が得られるようになりました。
また同時にコンピュータを用いて実写映像が加工されることも一般的になり、写真や実写映画のインデックス性(対象をそのまま写し取る性質)に揺らぎが生じるに至っています。
アニメーションの原理は、「わずかに位置のずれた静止画像を、短時間に次々に切り替えると動きのイリュージョンが現れる」という極めて単純なものだけに、その原理を用いた技術には汎用性があり、様々なメディアに展開される可能性があります。
したがって、そのアニメーションの原理とその基になる人間の知覚の特性を知り、過去の面白い作例を分析することは、新たなアニメーション作品、アニメーションのユニークな使われ方を考案する上で、非常に重要なことだと考えています。